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経営事項審査とは?
建設業者にとって必須の審査を徹底解説

〈目次構成〉

1.経営事項審査とは?

 1.1 経営事項審査が建設業者に必要な理由

 

2.経営事項審査の4つの基本項目

 2.1 経営規模(X)

 2.2 経営状況(Y)

 2.3 技術力(Z)

 2.4 社会性などその他の審査項目(W)

 

3.法改正による加点事項

 3.1 ワークライフバランスへの取り組み

 3.2 下請負人に使用される者の労働条件改善に係る取り組み

 3.3 建設機械の保有状況

 3.4 環境への配慮に関する取り組み

 

4.経営事項審査を受ける3つのメリット

 4.1 自社の経営状況を確認できる

 4.2 公共工事の競争入札に参加できる可能性が高まる

 4.3 入札参加資格者登録を行うことができる

 

5.経営事項審査の申請の流れ

 5.1 決算報告書の作成

 5.2 経営状況分析の申請

 5.3 経営規模等評価申請

 5.4 経営規模等評価結果通知書を受け取る

 

6.経営事項審査の費用

 6.1 経営状況分析申請にあたっての費用

 6.2 経営規模等評価申請にあたっての費用

 6.3 総合評定値の請求

 

7.経営事項審査の評価を向上させるコツ

 7.1 「その他の審査項目」を重視する

 7.2 完成工事高を向上させる

 7.3 手持ち資金の比率をなるべく高める

 

8.建設業者に経営事項審査は必須

経営事項審査とは?建設業者にとって必須の審査を徹底解説

「経営事項審査について最近よく聴くけど、あまり分からないから取り組めていない…」とお困りではありませんか?

建設業界に携わっているとよく聴くであろう言葉ですが、理解が追い付いていない、取得する意味もよく分かっていないといった人も多くいらっしゃると思います。

しかし、経営事項審査は公共工事を請け負う建設業者にとっては非常に重要なものとなります。経営事項審査の結果が今後の企業としての発展に大きく影響するといっても過言ではありません。

 

今回の記事では、経営事項審査の概要や基本項目、経営事項審査を受けるメリット、申請の流れなどについて解説します。

1.経営事項審査とは?

経営事項審査とは、建設業者が公共工事の入札に参加するために必要な審査のことを指します。略して「経審(けいしん)」と呼ばれることもあります。

経営事項審査は、建設業者の経営状況や技術力などの能力を評価し、公共工事に関わる企業の信頼性を高めることが目的です。

公共工事の入札に参加するためには経営事項審査を受けることが必須となっており、審査によって算出された点数は、公共工事の競争入札で建設業者の選定をする際に用いられます。

公共工事を発注する側は審査によって算出された点数をチェックしたうえで、「この企業で問題なく施工を行っていけるか」を判断するようになります。

以下は建設業法に記載されている、経営事項審査の概要です。

(経営事項審査)

第二十七条の二十三

公共性のある施設又は工作物に関する建設工事で政令で定めるものを発注者から直接請け負おうとする建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その経営に関する客観的事項について審査を受けなければならない。

2 前項の審査(以下「経営事項審査」という。)は、次に掲げる事項について、数値による評価をすることにより行うものとする。

一 経営状況

二 経営規模、技術的能力その他の前号に掲げる事項以外の客観的事項

3 前項に定めるもののほか、経営事項審査の項目及び基準は、中央建設業審議会の意見を聴いて国土交通大臣が定める。

 

引用:建設業法( https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324AC0000000100 )

 

1.1 経営事項審査が建設業者に必要な理由

経営事項審査は、公共工事に参加するために必要な手続きであり、建設業界において重要な役割を担っています。

公共工事には多額の税金が投入されるため、公共工事に関わる建設業者は高い信頼性が求められます。経営事項審査を受けることで、建設業者の経営状況や技術力、社会性などを客観的に評価し、公共工事に関わる企業の信頼性を高めることができます。

ただし、近年では公共工事の入札予定が無くても、経営事項審査を受ける建設業者も増えています。

下請業者の選定や、下請業者の経営状況の確認を行いたいことから、元請業者が下請業者に対して経営事項審査を受ける指示を出し、経営事項審査をうけることが多くなってきているのです。

2.経営事項審査の4つの基本項目

 

経営事項審査では、以下の4つの基本項目が審査されます。

 ・経営規模(X)

 ・経営状況(Y)

 ・技術力(Z)

 ・社会性などその他の審査項目(W)

2.1 経営規模(X)

経営規模とは、事業者がどの程度の規模で事業を行っているかを示す項目です。具体的には、完成工事高(X1)と事業者の売上高や従業員数、資本金など(X2)が挙げられます。審査において最も重視されている項目となっており、経営規模が大きいほど公共工事の受注において有利になります。

2.2 経営状況(Y)

経営状況とは、事業者の経営の状態を示す項目です。主に収益性、流動性、安定性、健全性を審査する項目となっています。

 

具体的には、財務状況や経営計画、資金調達の状況などが挙げられます。経営状況が良好であるほど、公共工事の受注において有利になります。

2.3 技術力(Z)

技術力とは、事業者がどの程度の技術力を持っているかを示す項目です。具体的には、技術者の有資格者数や、技術開発への取り組みなどが挙げられます。点数は、技術職員数と元請完成工事高から算出されるようになります。

2.4 社会性などその他の審査項目(W)

社会性などその他の審査項目とは、事業者が社会的な責任を果たすための取り組みを示す項目です。具体的には、以下の項目が審査されます。

 

 ・労働福祉の状況

 ・建設業の営業継続の状況

 ・防災活動への貢献の状況

 ・法令遵守の状況

 ・建設業の経理の状況

 ・研究開発の状況

 ・建設機械の保有状況

 ・国際標準化機構が定めた規格による登録の状況

 

社会的な責任をきちんと果たしているかをチェックし、点数化しています。

3.法改正による加点事項

経営事項審査は、令和4年6月公布・令和5年1月から改正が行われ、以下の取り組みに対して加点が与えられるようになりました。

経営事項審査におけるその他社会性(W)改正の概観

1 W1-9 ワーク・ライフ・バランス(WLB)に関する取組の審査基準及び評点

2 W1-10 建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況

3 W1-10の改正時期及び総合評定値算出係数の改正内容

4 W7 建設機械の保有状況の改正内容

5 W8 国又は国際標準化機構が定めた規格による認証又は登録の有無の改正内容

 

引用:国土交通省 経営事項審査の主な改正事項 ( https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001585871.pdf )

3.1 ワークライフバランスへの取り組み

今までの経営事項審査ではワークライフバランスに関しての項目はありませんでしたが、建設業界として働き方の改革、イメージアップを図るためにも、業界全体でワークライフバランスへの取り組みが促進されるようになりました。

 

そのため、男女関係なく従業員がさらに働きやすくなるような環境づくりや労働時間の短縮、育児・介護休暇の制度化など、ワークライフバランスをさらにより良くするための取り組みが加点対象となったのです。

 

具体的にワークライフバランスに関する取り組みは以下のようなものです。


 

◆くるみん認定…次世代育成支援対策推進法に基づいて、仕事と子育ての両立ができる環境づくりに取り組んでいる企業などが、厚生労働省からの認証で「子育てサポート企業」として認定される制度

 

◆えるぼし認定…女性活躍推進法に基づいて、一定の基準を満たし、女性が活躍し続けられる環境づくりに取り組んでいると認められた企業が認定される制度。

 

◆ユースエール認定…若者雇用促進法に基づいて、若者の採用・育成に積極的で若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業が、厚生労働大臣に認定される制度。

 

くるみん認定やえるぼし認定、ユースエール認定は、企業の評価が上がるのはもちろんですが、従業員全員が働きやすい環境づくりをしていくことで人材の定着や確保に繋がります。

 

くるみん認定やえるぼし認定は基準を満たすことで評価が上がっていき、さらに高い基準を満たしている企業のみ認定される「プラチナくるみん」「プラチナえるぼし」といった認定制度もあります。

3.2 下請負人に使用される者の労働条件改善に係る取り組み

建設工事の担い手の育成・確保に向け、CCUSの活用状況が加点対象となりました。CCUSとは、建設キャリアアップシステム(Construction Career Up System)のことで、建設業に関わる技能者の資格・社会保険加入状況・現場の就業履歴などを登録・蓄積し、技能者の適正な評価や建設事業者の業務負担軽減に役立てるための仕組みです。国土交通省は、建設工事の担い手の育成・確保が実施できるように、このCCUSの導入を推進しています。

 

「建設キャリアアップシステム(CCUS)」は、技能者が、技能・経験に応じて適切に処遇される建設業を目指して、技能者の資格や現場での就業履歴等を登録・蓄積し、能力評価につなげる仕組みです。若い世代の技能者の方がキャリアパスや処遇の見通しをもてる、技能・経験に応じて給与を引上げる、技能者を雇用し育成する企業が伸びていける建設業を目指し、国交省と建設業団体で連携して普及・利用促進に取り組んでいます。

 

引用:国土交通省 建設キャリアアップシステム ( https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_fr2_000033.html )

 

労働者がCCUSに就業実績を蓄積するためには、元請業者がCCUSの事業者登録を行ない、建設現場ごとに現場登録を実施することが必要となります。

 

元請業者にとっては少し手間のかかる作業ですが、下請業者の為にCCUSの導入の導入や就業履歴蓄積のための措置を行っていることは評価すべき点です。そのため、経営事項審査において加点となりました。

 

CCUSを実際に現場で利用するには、一般的に専用アプリをインストールしたiPadなどのタブレットPCと、そのタブレットPCに連携したICカードリーダーが必要です。経営事項審査における加点は「全ての元請工事において、当該工事に従事する者が就業履歴を構築するために必要なカードリーダーの設置等の措置を講じていること」が要件になります。

3.3 建設機械の保有状況

今までの経営事項審査においても、定期的な検査を行っている建設機械などの保有確認・稼働状況の把握が加点評価されていました。これらは、定期検査により保有・稼働確認ができる代表的な建設機械を保有していることで、災害時の復旧対応に使用することができることから経営事項審査の加点となっていました。

今回の法改正により、実際の災害対応において活躍しているものの経営事項審査上は加点対象となっていない建設機械が確認できたことから、今までの経営事項審査には加点対象となっていない建設機械が、加点対象に追加されるようになりました。

主に以下の建設機械が追加で加点対象となります。

◆従来の加点対象

 ・ショベル系掘削機

 ・ブルドーザー

 ・トラクターショベル

 ・モーターグレーダー

 ・移動式クレーン(つり上げ荷重3t以上) 

 ・大型ダンプ(土砂の運搬が可能な最大積載量5以上)

 

◆追加される建設機械

 ・ダンプ

 ・ダンプフルトレーラ

 ・ダンプセミトレーラ

 ・締固め用機械

 ・解体用機械

 ・高所作業車(作業床の高さ2m以上)

3.4 環境への配慮に関する取り組み

今までの経営事項審査では、環境マネジメントシステムISO14001の取得状況を加点対象にしていました。ISO14001とは環境マネジメントシステムに関する国際規格のことです。企業活動における環境リスクを分析し、そのリスクを低減するための仕組みを構築するガイドラインのような存在となります。

ISO14001は業種・業態を問わず利用でき、認証を取得することができますが、現状中小規模の建設業者はISO14001の取得している割合が少なくなっています。

世界では、脱炭素に向けた動きが加速しており、中小の建設業者においても脱炭素を含め環境問題への取り組みが改めて求められています。

そんな中、各都道府県の入札参加資格審査では、エコアクション21を加点対象に加える動きが広まっていることから、エコアクション21も経審において加点対象とすることになりました。

エコアクション21とは、環境省が策定した日本独自の環境マネジメントシステムです。企業などが環境へ配慮した取り組みを主体的・積極的に行なうための方法を定めたものになります。あらゆる企業などが効果的、継続的に取り組めるよう工夫されています。

以下は、環境省が建設業者向けに発信したエコアクション21の概要です。

3.建設業者とエコアクション21

建設業は,社会資本の整備を担う重要な産業であるとともに,環境にとって優良な建

築物・工作物を創出することで生物多様性の保全,循環型社会形成を推進することがで

きる産業です。しかし一方で建築物・工作物の計画・設計~施工~改修~解体といった

ライフサイクル全体で,資源・エネルギーの使用・消費,温室効果ガスや建設廃棄物の

排出等の環境負荷を発生させています。特に建設廃棄物については,産業廃棄物全体の

約5分の1が建設工事に伴うものだと言われています。

このようなことから,建設業は,積極的なエコアクション21の取組を実施すること

で,本業での環境負荷の低減を戦略的に行うとともに,積極的な環境への取組を行い,

企業価値を高めていくことが求められています。

引用:エコアクション21 建設業者向け ガイドライン (https://www.env.go.jp/content/900497447.pdf )

 

エコアクション21は日本独自のものです。国際規格のISO14001よりも認定にあたっての基準が少なく、認証手続きも簡易的になっています。

4.経営事項審査を受ける3つのメリット

建設業者が公共工事の入札に参加するために必要な審査である経営事項審査ですが、経営事項審査を受けることによって、以下のようなメリットがあります。

 

 ・自社の経営状況を確認できる

 ・公共工事の競争入札に参加できる可能性が高まる

 ・入札参加資格者登録を行うことができる

4.1 自社の経営状況を確認できる

経営事項審査を受けることで、自社の経営状況を客観的に把握することができます。

 

企業の発展のためには経営状況などを確認しながら、課題や改善点を出し、より発展の為に何ができるかを考えていく必要があります。しかし、企業の内部にいる人間だと、課題や改善点を客観的に把握することは難しく、さらには時間的なコストも大きくかかる恐れがあります。

 

しかし、経営事項審査を活用することで、国土交通大臣や国土交通省、登録を受けた登録経営状況分析機関が公正に審査・評価してくれるため、自社の経営状況を客観的に把握できるようになります

 

もし経営事項審査の評価がそれほど高くなくても、どの部分を改善すれば良いのか、どの部分が発展の糸口なのかが理解できるため、企業の今後に大きく影響を与えることでしょう。

4.2 公共工事の競争入札に参加できる可能性が高まる

公共工事の競争入札において、経営事項審査の結果が入札資格の審査に利用されます。経営事項審査を受けておくことで、競争入札に参加できるようになります。

国や自治体が発注する公共工事は、一般的に民間事業が発注する工事より規模が大きくなります。そのため、公共工事に関わる建設業者は高い信頼性が求められるため、経営事項審査の結果を1つの基準とするのです。

国や自治体が発注する公共工事を請け負うことができると、安定した受注を長期的に請け負うことができますし、何より「国や自治体の公共工事を受注している実績ある企業」として高い評価を得ることができます。

収益の面でも高いメリットが得られることはもちろんですが、ビジネスにおいて最も重要な信頼度が経営事項審査によって得られるので、大きな価値があると言えるでしょう。

4.3 入札参加資格者登録を行うことができる

経営事項審査を受けて公共工事の競争入札への参加申請を行うと、入札参加資格者登録を行うことができます。

入札参加資格とは、入札に参加するための資格の総称で、自治体や民間事業者などの発注機関ごと、または案件ごとに設定された資格を満たした事業者だけが入札に参加できる資格の事です。

入札参加資格者登録を行っている建設業者は、評価の点数やランクなどが一般公開されています。この情報は誰でも閲覧することが可能となっているので、発注機関はこの情報を元に発注先を選定したりします。

工事を発注したい民間事業者も、できるだけ経営基盤が安定している業者や実績が豊富な業者に工事を発注したいと考えているので、経営事項審査を受けて情報が公開されていれば、公共工事はもちろん民間工事の発注を受けることができる可能性も高くなります。

自治体や民間事業者などの発注機関は、経営事項審査を受けていること、一定以上の経営事項審査点数を得ていることを条件に工事の発注先を選定しているところもあります。経営事項審査を受けて、入札参加資格者登録を行うことで、ビジネスを拡大するきっかけにもなります。

5.経営事項審査の申請の流れ

経営事項審査を受けるには、以下の手順に従って申請を行う必要があります。

 1.決算報告書の作成

 2.経営状況分析の申請

 3.経営規模等評価申請

 4.経営規模等評価結果通知書を受け取る

5.1 決算報告書の作成

まず、経営事項審査の申請に必要な決算報告書を作成する必要があります。この報告書には、前年度の経営状況や財務状況などを詳細に記載する必要があります。

 

この決算日から1年7ヶ月間が経営事項審査の有効期限になりますので把握しておきましょう。

5.2 経営状況分析の申請

国土交通大臣の登録を受けた経営状況分析機関へ、経営状況分析の申請をする必要があります。

審査基準日直前1年分の財務諸表等や減価償却実施額を確認できる書類、建設業許可通知書の写しなど必要書類と合わせて申請を行いましょう。

経営状況分析機関での分析が完了すると、経営状況分析結果通知書が届きます。

経営状況分析機関は国土交通省のWebサイトから一覧が確認できます。

国土交通省 登録経営状況分析機関一覧

https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000091.html

 

5.3 経営規模等評価申請

経営状況分析結果通知書が届いたら、経営規模等評価申請を行います。この段階で実際に建設業者の経営規模、技術力、社会性などの評価が行われます。

経営規模等評価申請は、許可を受けている役所に対して以下のしょるを提出して行いましょう。

・経営規模等評価申請書・総合評定値請求書

・工事種類別完成工事高/工事種類別元請完成工事高

・その他の審査項目

・技術職員名簿

・経営状況分析結果通知書の原本

・委任状(代理申請の場合のみ)

・審査手数料印紙貼付書

・外国子会社並びに建設業者及び外国子会社についての数値の認定書

 (該当する場合のみ)

 

5.4 経営規模等評価結果通知書を受け取る

審査が完了したら経営規模等評価結果通知書が届きます。この通知書には、建設業者の総合評定値が記載されています。この評価が経営事項審査の結果です。

6.経営事項審査の費用

経営事項審査を受けるには手数料が必要となります。経営事項審査の費用は、経営状況分析申請、経営規模等評価申請、総合評定値の請求によって発生します。以下にそれぞれの費用について詳しく説明します。

6.1 経営状況分析申請にあたっての費用

経営状況分析は、国土交通大臣の登録を受けた経営状況分析機関によって行われますが、経営状況分析申請の手数料は各機関が独自に定めています。

 

おおよその相場は10,000円~20,000円となりますが、各機関によってプランなどによって変動があるので、申請の際は各機関に問い合わせを行って確認しましょう。

6.2 経営規模等評価申請にあたっての費用

経営規模等評価申請にあたっての手数料は、基本料金8,100円に経営事項審査を受ける業種1種類につき2,300円が加算される手数料がかかります。

 

例えば審査対象業種が3業種ある場合は、8,100円+6,900円(2,300円×3業種)=15,000円が経営規模等評価申請の手数料となります。

6.3 総合評定値の請求

総合評定値の手数料は、基本料金400円に経営事項審査を受ける業種1種類につき200円が加算される手数料がかかります。

例えば審査対象業種が3業種ある場合は、400円+600円(200円×3業種)=1,000円が総合評定値の手数料となります。

経営規模等評価申請にあたっての手数料と総合評定値の手数料は、国土交通大臣もしくは都道府県知事宛に納付を行います。

国土交通大臣は収入印紙を、都道府県知事は県収入証書をそれぞれ申請書に貼り付けしたうえで提出が必要です。

7.経営事項審査の評価を向上させるコツ

経営事項審査は、建設業者が公共工事の入札に参加するために必要な手続きのひとつです。経営事項審査を受けて、「さらに公共工事の受注を目指したい」「自社の実績をよりアピールしたい」という場合は、経営事項審査の評価を向上させる必要があります。

ここからは、経営事項審査の評価を向上させる3つのコツについて解説します。経営事項審査の評価を向上させるコツをまとめると以下の通りです。

・「その他の審査項目」を重視する

・完成工事高を向上させる

・手持ち資金の比率をなるべく高める

 

7.1 「その他の審査項目」を重視する

経営事項審査の基本項目には、経営規模、経営状況、技術力などがありますが、社会性などの「その他の審査項目」を重視することが重要です。

その他の審査項目は様々な審査の項目が含まれており、他の3項目に比べて評価を向上させやすくなっています。

例えば、法令遵守や企業としての安全対策、社会貢献活動、社員の福利厚生などが含まれており、これらに即した施策を実施していくと評価アップに繋がります。

また、その他の審査項目は、法改正による経営事項審査の加点事項も大きく影響しています。加点事項分もしっかりと取り組みを行うことで評価向上を狙っていけるでしょう。

特に、「くるみん認定」や「えるぼし認定」、「ユースエール認定」などは、企業の働きやすい環境づくりに直接的に関わっています。取り組むことによって経営事項審査の評価が向上するのはもちろんですが、自社のより良い職場環境づくりに関わってくるので、取り組むことをおすすめします。

7.2 完成工事高を向上させる

完成工事高とは、建設会社の売上高に当たるものです。決算期の中で、どの位の工事を完成させたかを指標としており、完成させた工事額の合計が完成工事高となります。

完成工事高の算定方法は、2年平均か3年平均かを選ぶことが可能です。

完成工事高は高くなれば高くなるほど評価が高くなるので、少しでも高くなるように2年平均と3年平均のどちらが高くなるかを試算してから申請を行いましょう。

例えば、直前決算の完成工事高が6,000万円、前期が5,000万円、前々期が4,000万円の場合だと2年平均と3年平均は以下のようになります。

◆2年平均

 (6,000万円+5,000万円)÷2= 5,500万円

◆3年平均

 (6,000万円+5,000万円+4,000万円)÷3= 5,000万円

この場合、2年平均の方が完成工事高が高くなりますので、2年平均を選択して申請を行うと良いでしょう。

7.3 手持ち資金の比率をなるべく高める

経営事項審査の基本項目である、「経営状況(Y)」の評価を高めるためには、手持ち資金の比率をなるべく高めることが重要となります。

手持ち資金の比率をなるべく高めるには、以下のような施策を行うと良いでしょう。

 

  ・配当金や役員報酬を抑える

  ・不要な固定資産を減らす

  ・売掛債権を減らして流動資産を増やす

 

自己資本の充実を実施することができれば、「経営基盤が強い」という評価に繋がり、経営状況の評価アップになります。

8.建設業者に経営事項審査は必須

今回の記事では、経営事項審査の概要や基本項目、経営事項審査を受けるメリット、申請の流れなどについて解説しました。

経営事項審査は、公共工事の競争入札に参加するために必要不可欠な審査です。経営事項審査を受けることは建設業者にとって様々なメリットがもたらされます。

経営事項審査を受けるメリットについてまとめると以下の通りです。

・自社の経営状況を確認できる

・公共工事の競争入札に参加できる可能性が高まる

・入札参加資格者登録を行うことができる

 

経営事項審査を受けるには手続きや費用が必要となるため一定のコストはかかってしまいますが、高い費用対効果を得ることができるので、企業としての発展を考えているのであれば経営事項審査を受けることをおすすめします。

「受けてみたいけれど、自分でやるのは難しそうだし、あまり時間もかけたくない…」という方は、

社会保険労務士法人レクシードへぜひご相談ください。

 

スムーズな経営事項審査への申請、評価を高めるためのサポートを徹底して行わせていただきます。

経営事項審査や入札をお考えの会社様は下記より問い合わせください

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